ホーム > うつ病改善に大阪市の漢方式鍼灸院 | 自律神経症状の早期改善なら、大阪市北区の漢方式鍼灸院「大阪市てんま吉祥堂」
当院で治療した心療内科・精神科疾患改善の症例をご紹介しますので、どうぞご参考になさってください。
患者:37歳 女性 保育士(休業中)
初診日:2010年9月
①うつ症状に伴うパニック発作(過呼吸症状)
初診日の5か月前より、再発⇒初発は32歳、既往歴参照
②倦怠感
1日中何もやる気がしない(特に雨の日)
③イライラ・不安感を交互に感じる
<パニック発作(過呼吸)の増悪因子>
・車の中やトイレなどの狭い空間
・仕事上の不安の積み重ね
・炎天下
<パニック発作(過呼吸)の緩解因子>
・不安感が少ない時
・ここ2,3年の回転性のめまい
・乗り物酔いしやすい
・胃が痛く、ここ3・4年たまに激痛を覚える
・熟睡感が無い
など
※解説イラストは表記上、裸モデルを使用していますが、実際は服を着用したまま、診察・治療を行っております。
幼少期~短大入学まで、基本的に健康
19歳 甲状腺腫
20歳 保育士
24歳 結婚
結婚後、環境が変わったことでストレスが溜まり、7カ月の無月経。
29歳 長男出産:夜泣き・疳が共に激しく、患者は睡眠不足傾向だった。
産後、不安感を覚えやすかった。
32歳 パニック発作による過呼吸により心療内科受診。
当時、旦那の浮気がストレスだった。
34歳 勤務中に激しいパニック発作による過呼吸症状⇒当時、仕事が忙しかった。
36歳 子供の小学校入学により生活環境が変わり、不安感を覚えやすかった。
<その他>
保育士は好きな仕事ので復帰したいが、仕事中に、発作が起きないか不安。
【漢方医学的診断】
心肝気鬱~心肝火旺・気滞血瘀・肝胃不和
【治療】
胸郭である上焦部位の気血の鬱滞を緩和させるために、
背部の督脉上の経穴、後谿、百会から一穴選択
【治療経過】
初診より2ヵ月は、週2回の来院。
鍼をすることで、徐々に肉体的な緊張・倦怠感が軽減すると共に、熟睡しやすくなった。また、パニック発作による過呼吸も徐々にましになっていった。不安感の方は、日によって波がある。
治療開始より、3か月ほど経過した頃より、パニック発作(過呼吸症状)が大分軽減する中で、気分的に楽になってきた。
以降、1週~10日に1度の来院する中で、保育士も復帰。
翌年5月に、治療終了。
本症例は、精神的ストレス過剰による胸郭内の気血の循環不良によって発症した、「うつ症状・パニック発作(過呼吸)・倦怠感」として治療を行いました。
胸郭内の気血が悪くなると、首・肩・背中の筋肉に凝りをもたらし、上半身は鎧を被せたような状態になります。そのため、心臓の機能亢進となり、少しの精神刺激で過呼吸状態に陥りやすくなります。
治療において、まず胸郭内の緊張を緩めることを中心に治療を行ったところ、パニック発作(過呼吸症状)が改善されていきました。それ共に、不安症も、好・不調の波がありながらも、次第に改善されていきました。
肉体面に余裕ができることで、精神面の余裕にも繋がると感じた症例でした。このことは、心療内科疾患に限らず、その他の症状についても同様です。
患者:女性 30歳 会社員
初診日:2011年7月30日
〇倦怠感、息苦しさ、頭痛、悪寒、イライラなどストレス障害(適応障害)に伴う諸症状
〇1年半の無月経
〇首・肩・背中のこり
※解説イラストは表記上、裸モデルを使用していますが、実際は服を着用したまま、診察・治療を行っております。
26歳 結婚するも、姑の不仲により、1年半で離婚。
28歳 離婚後、再就職した会社の上司に理不尽な対応され、
ストレスが溜まりやすくなった。
次第に、息苦しさ、頭痛、悪寒など、
自律神経失調症様の諸症状が現れる。
週末は寝込み、仕事も休みがちになったため、
1年ほど、呼吸器科・脳神経外科など受診するも、全て無効だった。
29歳 精神科を受診し、適応障害と診断される。
【漢方医学的診断】
心肝気鬱
【治療】
初診から3診目まで、後谿に古代鍼
以降、後谿と百会を使い分ける。
適応障害とは、ある社会環境においてうまく 適応することができず、様々な心身の症状を呈する症候群であり、職場不適応や登校拒否(不登校)などと呼ばれます。
適応障害の症状は多彩で、
不安、 抑うつ、焦燥、過敏などの精神症状、頭痛、
不眠、食欲不振、腹痛などの身体症状、遅刻、欠勤(不登校)
などです。そして、次第に対人関係、社会的機能が不良となり、引きこもってうつ状態となります。
適応障害は、皇室の雅子様が罹ったことで、広く知られるようになった精神疾患です。
西洋医学による治療法として、まず会社、学校を休むというように、ストレス因子を遠ざけること。それ以外には、カウンセリングや、諸症状に対しての投薬が挙げられますが、
これといった決め手となる治療法がないようです。
一方、漢方医学では、精神疾患であっても、他の疾患と同様に、まず身体の状態を整えることを最優先にします。
本患者さんの場合、26歳で結婚してから、お姑さんとの不仲による離婚と、勤務先の上司の理不尽な言動に対するストレスが重なったことで、次第に頭痛、息苦しさを感じるようになる中で本症状が発症されたそうです。
また数々の医療機関を受けるも、なかなか症状の改善がみられなかったということで、半ば諦めの境地の来院でした。
こういった患者さんの場合、身も心も憔悴しきっているため、治療において非常にデリケートさが求められます。実際に、始めの3回目まで、古代鍼による、刺さないで皮膚に触れるだけの鍼を施しました。
鍼治療を重ねることで、次第に頭痛や倦怠感が減り、約1年半の無月経状態も解消されるようになり、会社に出勤しても早退することが減ってきたそうです。
そして身体的な症状が改善していく中で、適応障害までに至る、本患者さんの考え方の癖についても、少しずつ自覚できるようになった、と伝えてくださりました。
また、仕事の方では、得意の英語の能力を活かして、海外企業に対しての通訳を任されたり、新しい部署に抜擢されるなど、様々な好転する事態が生じるようになったそうです。
本症例の場合、来院してから約3ヶ月の改善例ですが、どんな精神科や心療内科疾患であっても、いつもこのようにスムーズに改善する訳ではありません。
しかし、これまで様々な治療を受けても、なかなか改善がみられないのであれば、漢方鍼灸という対処法もあるということを、心の片隅に置いていただければと思います。
※こちらに、本症例の患者さんの喜びの声を紹介させていただいています。
患者:60代 男性 元小学校校長
初診日:2010年年9月29日
<うつ病の状態>
何事にも興味がわかない、やる気が出ない。
日々の生活に楽しみ・面白味がない。
体が思う様に動かない自分自身を責めて、自己嫌悪に陥りやすい。
たまに7年前の出来事(既往歴~現病歴記載)を思い出す。
現在の心身の状態で生きていくことへの不安・辛さがある。
〇肩凝りや腰痛がここ4,5年ある。
〇不眠
〇食欲不振
〇便秘(ひどいときは約1週間)、たまに便が出るときは軟便から下痢
〇手足が冷えやすい
※解説イラストは表記上、裸モデルを使用していますが、実際は服を着用したまま、診察・治療を行っております。
大学卒業後、小学校の教員になる。
42歳~47歳 当時勤務していた、校長・教頭の勧めで、市の教育委員会に所属。
教育現場と異なる環境に加え、仕事量が増え、疲労が溜まりやすくなっていた。
仕事内容として、人事中心で、現場ほど、楽しく仕事が出来なかった。
この頃より、ビールの摂取量が増えてきた。
47歳~52歳 教頭として現場復帰。
現場に復帰したことで、以前より仕事にやりがいを感じられるようになった。
52歳 校長に昇進。
校長として人を束ねる困難さにぶつかり、悩み事が多かった。
更に、「子供がいじめられた」と苦情を訴えに来た両親への対応に苦悩した。
いじめの調査の中で、実態と違う苦情が含まれており、説明を聞き入れてもらえないばかりか、土下座を強要された。
53歳 うつ病発症の翌年の3月に校長を退職。
以来、心療内科を受診するも、様々な薬を処方されるも、
改善することなく、約7年間、家でほとんど寝ている生活をするようになる。
(初診時には、4種の薬を服用)
<性格>
生真面目、几帳面、責任感が強い。感情を表に出さない方。奥さんには頑固とよく言われる(奥さんは、車で病院の送り迎えをしてくれるなど、精神的な支えになっている)。
【漢方医学的診断】
心肝気鬱、肝脾不和
【治療】
後谿・百会のうち一穴、ときに太白・公孫のうち一穴を合わせる、あるいは天枢一穴
漢方医学では、”心身一如(心と体は一体)”の観点から、どんな病気でも、問診と体表観察を重ね合わせて、心と体の状態の相関関係を把握していきます。
本患者さんの発症前のご職業は小学校の校長先生。
症状のきっかけとなったのは、校長になってから教員の先生方を束ねる困難さにぶつかっていたところに、約8年前にモンスターペアレントの再三のクレームに悩まされました。それにより、うつ病を発症し、その翌年の3月に校長を退職されました。
それ以来、7年間、心療内科の受診以外、ほとんど家から出ないで、過ごすようになったとのことです。
そこで、問診と体表観察にて、「過度の思慮による心肝の気鬱と、それに伴う消化機能の低下」と診立て治療を行いました。
治療を行っていく中で、まず肩凝り、腰痛が楽になり、そして次第に朝起床しやすく、食欲が増していくなかで、約2ヶ月の治療で一進一退はあるものの、精神状態も徐々に改善していきました。
しかし、一番の問題は、3、4日に1回しか大便が出ない便秘。一時期、便秘がなかなか改善しないということで来院をお休みされたことがありました。そこで病院で処方された便秘薬を服用したら、情緒面も改善するとのこと。
このことをヒントに、便が出やすくなる治療を施したところ、ほぼ自力で大便が出るようになり、それと共に精神症状も更に改善していきました。
本症例を通じて、大便排泄の状態と情緒面が密接に繋がっていることを改めて確認させていただきました。
鍼治療で、7年間止まっていた患者さんの人生の時計の針が再び動き出したことで、「今は、心に明るい日差しを取り戻し、とても気持ちよく毎日をすごすことが出来るようになっています」という、大変ありがたいお言葉を頂戴いたしました。
うつ病には投薬、カウンセリングといった対処法以外に、鍼灸治療による”体から心へのアプローチ”もあることを、一人でも多くの方に知っていただきたく思います。
※こちらに、本症例の患者さんの喜びの声を紹介させていただいています。