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漢方的・猛暑の夏を乗り切る智恵(その3)

2018.08.04 | Category: 漢方医学の智恵

 

前回、暑邪の特徴として、以下の5つを挙げました。

 

①陽邪で、火病に属し、身体上部から損傷する
②暑邪は気血水を損傷しやすい
③湿と一緒になりやすい
④暑邪が甚だしいと心営に陥り、生風することがある
⑤ときに冷えの症状が現れる

 

この特徴を踏まえたうえで、暑邪のダメージを受けた際の代表的症状の熱中症について考えます。

 

【熱中症の分類】
日本神経救急学会の熱中症検討委員会による熱中症の分類を参考にすると、より熱中症が整理されて理解しやすくなります。

 

Ⅰ度(軽症):めまい、立ちくらみ、気分が悪い、手足のしびれ、こむら返り(筋肉の痛み、硬直など)。
Ⅱ度(中等症):頭痛、吐き気・嘔吐、体のだるさ、力が入らない。
Ⅲ度(重症):返事がおかしい、痙攣、まっすぐに歩けない、体が熱い、意識喪失。

 

日差しがきつい日中に、強烈な暑熱邪を受けると、陽明気分、あるいは一気に営血分(心と関わる)という深い領域に熱の影響が及ぶことで、Ⅲ度の熱中症になることがあります(暑邪の特徴①②④)。

 

このときの処置はまず、日陰の風通しのいい場所に移動させた後、濡れタオルなどで首筋、脇下、股関節など大きな血管が通る部位を冷やす、食塩水による水分補給が大切です。この段階になると生命の危機にも繋がるので、救急車などで救急医療を行う医療施設に搬送することが最優先となります。

 

ただし冷やし方に注意が必要です。『医学入門』に、「若し道途に卒倒し、湯薬便せず、気脱難治を恐るれば、急ぎ蔭涼の処に扶け、冷湿の地に臥せしむべからず」とあります。これは、身体を冷やし過ぎると、皮膚血管が収縮し、震えが生じることで産熱するので、放熱が阻害される場合があることを警告しています。従って、体表が一定冷えたら、身体冷却を一旦止めた方がいいでしょう。

 

私のところのような一般鍼灸院では、ⅠⅡ度の熱中症になって、ある程度の時間が経ってから診る機会があります。ⅠⅡ度の熱中症にかかる方の多くは、強烈な暑熱邪を受けなくても、ジワリジワリと夏の暑さのダメージを受け、暑邪の特徴①~③により、

 

発汗による気陰(水)不足とそれに伴う虚熱(気陰両虚→陰虚内熱)
≒脱水に伴う倦怠感やほてりなど
水分代謝不良による水湿邪の偏在(湿困脾土、脾虚湿盛など)
≒胃腸内の水分配置の偏り

 

が引き起こっています。これらの状態は夏バテ(湿邪は脾虚により形成されるものが多し)の病因とも重なります。

 

また、熱中症は梅雨時期から増えだし、80歳前後の方が多いという統計を重ね合わせると、気陰両虚と湿邪偏盛の要因がある方が、暑邪の影響を受けやすくなると推測されます。

 

従って、この2つによる身体へのダメージについて考慮することが熱中症や夏バテ対策の中心となります。

 

(その4)に続く

漢方鍼灸 妙見活法 大阪天満 かわかみ吉祥堂

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